課題
- スタッフが接客に集中できるよう、レジ業務の負担を減らしたい。
- 営業時間外でも地域の方に商品を届けられる仕組みが必要だった。
- 無人販売の導入を見据え、低コストかつ柔軟に運用できる決済ツールを探していた。
OneQRで解決
- 「OneQR」の導入により、セルフレジ・無人販売の環境を構築。
- 多様な決済手段に対応し、国内外の観光客にも対応可能に。
- UIのわかりやすさと商品管理機能により、誰でも使いやすい運営体制を整備。

KEIPE株式会社は、「障がいを特別なものにせず、誰もがそこに居ていい社会」を目指し、障がいを持つ方々と地域の課題解決を目指す事業を展開しています。障がい者の就労支援事業からスタートし、飲食事業(山梨県立美術館内レストランほか)、地域商社事業、資源循環事業、マッチングプラットフォーム事業(物流企業と就労支援事業所のマッチング)など、業界の垣根を越えて「事業づくり」に取り組んでいます。
本稿は、地域商社事業「nouto工場直売所」で採用されたOneQRの導入背景、今後の展望について、KEIPE株式会社執行役員で地域商社事業部部長の飯室和希様にお話を伺いました。
OneQRを導入いただいた「nouto工場直売所」について教えて下さい。
飯室氏:
「企画で規格を超えていく」をテーマに、地域の生産者さんから仕入れた商品を生食用として販売するだけでなく、加工品の企画・開発も行ってきました。畑で生まれた農作物を余すことなく活用して、地域に還元していくことを目指します。
それでも県内には捌ききれないほどのロスになってしまうような農産物があるので、自社で加工工場を作り、商品化していく取り組みを始めました。2025年5月には山梨県笛吹市で工場直売所もオープンしました。

OneQRを導入された背景を教えてください。
飯室氏:
もともと、山梨県立美術館のユニバーサルカフェ&レストラン「COLERE(コレル)」でOneQRを導入しています。「COLERE」では現金精算機と連動したキャッシュレス決済端末を設置して、お客様自身が決済端末またはテーブルQRでご注文、お支払いを行っていただいており、業務を円滑に進めることができています。
工場直売所もレストランも、スタッフの多くが障がいを持つ方々です。だからこそ、業務を「誰でも安心して行える仕組み」に整えておくことが非常に重要だと考えています。
特にレジ業務に関しては、金銭の受け渡しや釣銭の計算、売上の締め作業など、ミスが許されにくい業務であるがゆえに、精神的なプレッシャーを感じる場面も少なくありません。
そんな背景から、できるだけレジ業務の負担を減らし、スタッフにはお客様との関わりや商品の魅力を伝えるなど、“やりがい”に直結する業務に注力してもらいたいという思いがありました。
そこで、「nouto工場直売所」でも同じように業務体験の設計を行いました。
「nouto工場直売所」では今後、無人販売にも取り組まれる予定と伺いました。
飯室氏:
はい、夏から「nouto工場直売所」で無人販売を始めようと準備しています。「nouto工場直売所」がある石和温泉は山梨県でも有数の観光地です。観光客の流れに合わせて営業時間を組み立てる必要がある一方で、地域住民の方が利用できる時間帯が限られてしまうというジレンマがありました。
そこで、店舗のエントランスを活用した無人販売の仕組みを整えようと考えています。
OneQRはセルフでの利用が前提になっている設計なので、レジや人員の配置が不要になります。
営業終了後〜開店までの時間は、店舗のエントランス部分にOneQRを設置することで、有人と無人のハイブリッドな運営が可能になると考えています。
One QRを導入して感じたメリットはありますか?
飯室氏:
たくさんあります。一番はやはり国内外を問わず、キャッシュレス決済の手段が豊富な点です。例えば今後インバウンド需要が増えたときでも、支払い方法の制限による機会損失が防げると感じています。「nouto工場直売所」がある石和温泉は、富士山や甲府盆地からもアクセスしやすい立地なので、インバウンド観光客の需要に応えられる仕組みを持っておくことは、私たちにとって重要な意味があります。
また、商品登録やオプションの設定などUIが直感的で簡単にできるところも助かっています。セルフレジの画面上に表示された画像を選択しお会計に進みますが、この商品画像の差し替えも管理画面からすぐにできるため、欠品時や新商品発売時でも現場で対応がしやすいです。
お客様も操作に迷うことが少なく、スタッフも安心して他の業務に集中できています。

OneQRで他に重宝している機能はありますか?
飯室氏:
売上や商品ごとの販売データがすぐに確認できるという点は非常に便利ですね。
今後、無人販売の展開を進めていくにあたって、「どの商品が、どの時間帯に、どれだけ売れているか」などの傾向を見ながら、商品構成や販促の調整を行っていきたいと考えています。
たとえば、観光シーズンや時間帯によって動きが大きく異なる場合は、補充のタイミングや販売商品を変えるなどの工夫ができるかもしれません。

今後、OneQRのデータを使ってどのような取り組みを検討されていますか?
飯室氏:
販促や商品開発への活用です。
例えば、「平日は地元の方向けに、週末は観光客向けに特化した商品を打ち出す」といった展開も、販売データがしっかり取れていれば戦略を立てやすいと思っています。
また、今後はジェラートの新しいフレーバーや干し芋商品の派生シリーズも出していきたいと考えているので、どの味やカテゴリが人気なのかという点も、OneQRのデータから判断していきたいです。
データ分析にあたって、機能面での要望などはありますか?
飯室氏:
オプションで選ばれた商品内容が売上データに反映されると、もっと活用しやすくなると思います。
例えばジェラート販売であれば、「シングル・ダブル」といったボリュームと、「いちご・チョコレート」といったフレーバーの組み合わせまでデータとして可視化できるようになると分析しやすくなります。
マーケティングに活かすには、細かなログや履歴が見えることが大事だと思うので、そういった機能拡充には期待しています。
貴重なご意見ありがとうございます。マーケティング機能についてはさらに活用していただけるようアップデートを続けて参ります。
最後に、One QRを活用した今後の展望を教えて下さい。

飯室氏:
今年から来年にかけて、山梨県内に複数の無人販売拠点を展開したいと考えています。
私たちは干し芋やジェラートなど、自社工場で生産した商品を扱っているのですが、これらを活かして地域での販売機会を増やしたいと考えています。
6月から10月にかけては、桃やシャインマスカットなど山梨の代表的な果物が旬を迎えます。
この時期に営業時間や人手にとらわれず販売できる無人販売の仕組みは、売上にも大きく寄与する可能性があると見ています。
OneQRは、ただの決済ツールではありません。私たちのように、スタッフの特性や地域性に合わせた運営をしている現場にとって、“誰でも使いやすく、無理なく回せる”という点は非常に大きな価値です。
そして、低コストで導入できるのに機能はしっかりしていて操作も簡単。導入へのハードルが本当に低いと感じました。
もし現場で何らかの課題や非効率さを感じている方がいたら、まずは一拠点から試してみるだけでも、現場の空気がガラッと変わると思います。
貴社の社会性の高い事業に貢献できることを嬉しく思います。今後アップデートを続け、さらに使いやすくなるよう改善に努めてまいります!今後ともよろしくお願いいたします。