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飲食業界の人手不足対策システム「セルフオーダー」「モバイルオーダー」を徹底解説

店内のテーブルに設置されたタッチパネル端末で消費者がオーダーする「セルフオーダー」、専用端末ではなく、消費者自身のスマートフォンでオーダーする「モバイルオーダー」。

飲食業界の人手不足を背景に、レジ対応や注文受けを人に頼るのではなく、システムで業務効率化を目的としてこれらのシステム導入が進んでいます。

本記事では、セルフオーダーシステム、モバイルオーダーシステム導入による効果を徹底解説します。

 

 

 セルフオーダー、モバイルオーダーとは?

飲食店の業務効率化を促進するシステムとして、セルフオーダー、モバイルオーダーなどが挙げられます。

  • セルフオーダー
    セルフオーダーシステムとは、テーブルに設置されたタッチパネル端末で、消費者自身が注文できる機能のことです。テーブルトップオーダー(TTO)とも呼ばれ、追加注文の多い居酒屋や回転寿司など飲食店でよく採用されるシステムです。


  • モバイルオーダー
    モバイルオーダーシステムとは、消費者自身のスマートフォンで注文できる機能のことです。ファストフード店やデリバリーサービスで導入が進んでおり、店舗のアプリやウェブサイトからメニューを確認、オーダー、決済までを完了できます。また、セルフオーダーの代わりにモバイルオーダーを採用している飲食店も多く、消費者はQRコードを読み取ることで、メニューの確認や注文、会計ができます。

似ているようですが、それぞれ用途が異なるシステムです。

 

 

 システム普及の背景

コロナ禍、非対面での接客ニーズが高まったことを受け、スターバックスがスマートフォンアプリや公式Webサイトから商品を事前注文できるサービス「モバイルオーダー&ペイ」の対応店舗を拡大しました。

もともとはテイクアウト、デリバリー注文の利便性を向上するための施策でしたが、コロナ禍で生まれた新しい生活様式により、「非接触サービス」として浸透し、国内外の外食店で広まっていきました。

 

そしてコロナ禍が落ち着いたいま、セルフオーダーとモバイルオーダーは「人手不足を支えるサービス」として導入が進んでいます。

「飲食店経営者のDXに対する興味・関心と導入状況の実態調査(ホットペッパーグルメ外食総研)」によると、飲食店が現在抱えている経営課題の上位3項目には、「売上UP(48.0%)」、「食材費の削減/最適化(31.9%)」、「人手不足(22.5%)」が挙がりました。

「人手不足」は2年連続で課題とする飲食店経営者の割合が増加しており、「人手不足」と相関する項目「労働時間の短縮(15.6%)」、「人件費の削減/最適化(15.5%)」も、同じくスコアが増加しています。

 

 

 急激に進むシステム導入

「外食店利用時の注文ツールの利用実態・意向調査(ホットペッパーグルメ外食総研)」では、セルフオーダーの利用経験率は、2021年の同調査(※1)と比べて31.1ポイント増加の57.1%となっており、2021年調査時はおよそ4人に1人であった利用経験者は、2024年には2人に1人となりました。

テイクアウト時のモバイルオーダーの利用経験率は48.8%と、こちらも約半数以上がすでに利用しています。

こうした結果から、店舗でのセルフオーダーやモバイルオーダーの導入が急激に進み、消費者の間に浸透してきている様子がうかがえます。

外食店利用時の注文ツールの利用実態・意向調査

※1
2021年調査では、テイクアウト時のモバイルオーダーについては調査対象外 
・「コロナ禍前に利用したことがある」:「コロナ禍前から何度も利用したことがある」「コロナ禍前に一度くらいは利用したことがある」のいずれかを回答した人を集計
・「コロナ禍中に利用したことがある」:「コロナ禍中によく利用するようになった」「コロナ禍中に初めて一度くらい利用したことがある」のいずれかを回答した人を集計 ・「コロナ禍後に利用したことがある」
2024 年:「コロナ禍後によく利用するようになった」「コロナ禍後に初めて一度くらい利用したことがある」のいずれかを回答した人を集計
2021 年:該当項目なし 

 

 

 消費者のメリット

今後、セルフオーダーを利用したいかを問う質問に対しては47.6%が「利用したい」と回答しています。

その理由として最も多かったのが、「自分の都合の良いタイミングでオーダーできるから(51.1%)」。続いて「店員を都度呼ぶことに気が引けるときがあるから(38.5%)」、「待ち時間によるストレスが減るから(24.9%)」という結果になりました。

またモバイルオーダーでも、51.5%が今後モバイルオーダーを「利用したい」と回答しています。理由は「待ち時間によるストレスが減るから(41.1%)」が最も割合が高く、「スマートフォン上で会計も完了して便利だから(24.5%)」、「飲食全体の時間短縮が期待できるから(時間がないときに便利だから)(20.4%)」と続いています。

 

外食店利用時の注文ツールの利用実態・意向調査


 

 

 店舗のメリット

以下は経済産業省がまとめたモバイルオーダー導入店舗の効果報告です。

 

<店舗の課題>

  • 飲食業界における人手不足解消
  • オーダーにかかる人件費の削減
  • 煩雑で忙しい受付担当者の離職を防ぐための業務軽量化

 

<定量的効果>

項目 効果 主要なコメント
レジ対応の業務時間削減 20%

・所要時間は1組3分程度。オンライン決済がさらに増えると時間は短くなる。

・手数料負担はあるが、人件費減少により充当できると考える。

注文受けの業務時間削減 80~90%

・モバイルオーダーでは3分/件を削減可能。

・モバイルオーダー利用率は全体の8割程度に達する。

売上金振込・両替の業務時間削減 50~80%

・週1以上の両替業務が月2回程度まで削減。

・毎日、2日に1度の頻度が、週1となった。

客単価増加 20% ・1,000円から1,200円に客単価がアップ。
決済件数増加 5% ・会計数が230件/週から、240件/週に増加。


<定性的な効果>

項目 主要なコメント
従業員の精神的負荷の低減

ピークタイム時に調理をしながら合間にレジ打ちをする必要がなくなった。

衛生面の向上

現金授受がないため、衛生面が向上している。

食品ロスの低減

売りたい商品を注文画面で目立たせることができるため、食品ロスの減少につながる。

※2 図表は全て、経済産業省「キャッシュレス決済中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会」をもとに作成

 

 

 店舗のデメリット

モバイルオーダーは便利な一方、「返金処理」の手間がデメリットとして挙げられます。

すでに決済が完了しているにもかかわらず、注文したものと異なる商品が提供された場合、基本的には現金で返金対応を行う店舗も多いようです。

しかし、自動釣銭機を利用している場合は、レジから現金を取り出すことができないため、別途返金用の現金を用意しておく必要があります。

 

また、年代によってはシステムの操作に慣れておらず、利用を敬遠することもあるため、手順書を用意しておくなどの取り組みが必要になるでしょう。

 

 

 注文も、決済も、返金も。「OneQR」なら全てに対応

OneQR_無人販売端末

OneQR」は、オンライン、オフライン、O2Oを問わず、あらゆる業態(飲食店、小売り・無人販売、駐車場や自動販売機など)に対応する決済プラットフォームです。これまで、エンタープライズからSMBまで、1,000社以上に導入されています。

「OneQR」はQRコードを読み取ることで、消費者自身のスマートフォンで注文できるモバイルオーダーシステムです。アプリのダウンロードは必要なく、ウェブ上でオーダーと決済を完結させることができ、対応するキャッシュレスブランドは約40種類にものぼります。万が一誤って決済してしまった場合でも「OneQR」上で簡単に返金処理を行うことができます。

 

また、タッチパネル券売機にも対応しているため、端末を設置していただくことでセルフオーダーとしてもご利用いただけます。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

 

 まとめ

非接触ニーズを契機に普及したセルフオーダー、モバイルオーダーは、現在では飲食業界の人手不足対策として活用されるシステムとなっています。

待ち時間短縮などの消費者の利便性向上に止まらず、店舗側の注文やレジ対応における業務時間の大幅削減、売上や客単価の向上にも寄与しています。

ご紹介した課題を感じている店舗の皆さま、本記事をきっかけにシステム導入を検討してみませんか?

 

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